チャーリー・パーカー/モダン・ジャズを創った男 "Charlie Parker His Music and Life"
カール・ヴォイデック著 岸本礼美訳 小田弘一 日本チャーリー・パーカー協会監修

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監修者あとがき 小田 弘一
 本書は、カール・ヴォイデック氏が「Charlie Parker His Music and Life」のタイトルで、ミシガン大学出版より刊行した原著書の全訳です。

 ビバップ・モダン・ジャズの真の創始者チャーリー・パーカーのジャズ史上に残した遺産、そしてその功績は、今さら多言の必要はないと思います。しかしこの本の魅力は、なによりも、この本が最新の研究を用いているだけに、パーカーの評伝部分も、今までのものより更に正確で魅力あるものになっています。また、さまざなま人物のパーカーへのインタービューも、従来各書に分散されていたものが、ほとんどこの本の中に集められています。

 更に、チャーリー・パーカーの音楽を分析する部分でも、たくさんの譜例を用いて、具体的に詳しく説明されています。しかし、読者はこれを恐れることはありません。著者はこう述べてもいます。「チャーリー・パーカーの音楽を楽しむのに、音楽の技術的な知識は全く必要ない。音楽的教育を受けていない本書の読者も、パーカーの即興演奏の特徴についての検討を通して、彼の音楽が更によく理解できるようになるだろう」事実、そこでは、精緻な分析はもちろんですが,逸話を交えての、楽しい読み物にもなっています。

 本書の監修にあたっては、かえって簡単なジャズ用語のほうが難しかったです。また、固有名詞のカタカナ表記には少し苦しみました。私の力量不足による間違いもあるのではないかと思います。読者の方でお気づきの点がありましたら、ご教示をお願いする次第です。

 終わりに、謝意を表したい方々の一部を列記させていただきます。

 岸本礼美さんには、正確を期すると硬くなりがちな原書を、ナイーヴな視点から翻訳していただきました。また、本書の企画をしてくださった、48年間にわたる尊敬する親友、日本チャーリー・パーカー協会会長の辻真須彦(辻バード)さんには、いつものように温かい目でご指導をいただきました。それに、同じ仲間である吉野隆一さんには、ドラムについて、実感的体験を語っていただきました。

 ホットクラブ・オブ・ジャパンの幹事で、日本チャーリー・パーカー協会事務局長でもある三浦和三郎さんには、レコードのことはもちろん、編集面でも不慣れな私を根気よく導いてくださいました。特に、三浦さんが作った、巻末のCDグラフィーは、たいへんに貴重なものです。これを契機にして、世界的なパーカー・コレクターである三浦さんの手になる「完全パーカー・デイスコグラフィー」の完成を期待しています。

 そして、永い友人で、スキップ・レコードのプロデユーサーとして活躍している竹下修一さんには、音楽面で多くの教えを乞いました。また、ニューヨーク在住のテナーサックス奏者テイム・アマーコストさんと、同じくニューヨーク在住のドラマー奥平真吾さんには、現役ミュージシャンとして、実感あるアドヴァイスをいただきました。それから、デヴィッド・ストナードさんには、ロス・ラッセル氏の貴重な証言のあるロンドン講演テープを提供して、いただきました。

 それから、一九九四年九月にロンドンの「チャン・パーカー・コレクション」クリステイーズ・オークションのオープニング・パーテイーで、辻真須彦さん吉野隆一さんとともに、親しく言葉を交わしたロス・ラッセル氏の温容は記憶に新しいのです。ここで、一九九九年に逝去された、ロス・ラッセル氏に弔意を表します。

 最後に,水声社の鈴木雅展さんには、うかつな私の仕事をくわしくチェックしてくださり、本当に大変だったと思い、感謝する次第です。

 チャーリー・パーカー生誕八十周年記念
   【バード2000】開催を目前にして。
   二千年十一月   監修者 小田 弘一